【イベントレポート】2016年7月3日「第2回 無国籍について基礎から学ぶ」無国籍ネットワーク・トークイベント

OLYMPUS DIGITAL CAMERA本年度第2回のトークイベント(2016年7月3日)では、「日本における国会審議に見る無国籍:自由権規約をめぐる議論を通して」、「中央アジア・タジキスタンにおける無国籍問題」と題した発表が行われ、20人が参加しました。

前半は秋山肇運営委員が、日本の国籍法において、無国籍の予防という観点から自由権規約を中心とした国際条約と比較し、国際法が日本の国籍法にどのような影響を与え、ま、過去の国会においてどのような議論がなされていたかを話しました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA後半は元UNHCR職員の小川雅代氏においでいただき、中央アジア、特にタジキスタンにおける無国籍問題についてとても分かりやすく説明していただきました。中央アジアで無国籍になる主な原因は国家継承に寄るものです。旧ソビエト連邦の崩壊後、例えば、タジキスタンとウズベキスタンの国境地域で移動した人々には、法律の衝突、行政手続きの問題、情報の欠如などによって無国籍になってしまった人が多いとのことでした。田舎でも、次第に身分証明を要求されるようになり、子どもの就学にも問題が出てきました。貧しい農村部では、出稼ぎ収入に頼って生活している家族も少なくありません。パスポートは、出稼ぎに行くには、なくてはならない物になっています。無国籍を予防し、既存の無国籍状況を改善するためには、政府が無国籍を決める基準をしっかりと定め、無国籍者の数を先ず把握することが大事だということがわかりました。

出席者へのアンケートでは、法と国籍の関係性の難しさを実感したという感想や、旧ソ連における無国籍者の状況について学ぶことができ、さらに知りたくなったという感想が寄せられました。

 

無国籍ネットワークユース 金 叡珍

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