第12回すてねとカフェin大阪 (3月15日)

第12回すてねとカフェin大阪が3月15日(火)に開催され、10名の方が参加しました。無国籍者のシャンカイさん、丁章さん、そして国際法学者で国際基督教大学教授の新垣修先生の話があり、その後の議論なども盛り上がり、みんなで有意義な時間を過ごすことができました。以下、当日の様子をまとめましたので、是非ご覧ください。

新垣先生からシャンカイさんへのインタビューを中心に、シャンカイさんが生い立ちを語り、次のように話しました。

シャンカイさんと新垣先生のインタビュー
シャンカイさんと新垣先生のインタビュー

「祖国はミャンマー(ビルマ)だと自分が思うのは、親の教育(意識)の影響が大きい。行ったことのないミャンマーの国籍を今は取得するつもりはない。

無国籍者であることで講演依頼があり、多くの人が自分の話を聞いてくれることはありがたい。無国籍者であることにも意味があると思えるようになった。

将来ララさんのように本を書きたい。

就職先の会社は海外での仕事はなく、無国籍者であることは就職条件において問題にならなかった。帰化(日本国籍取得)は今のところ考えていない(日本国籍を日本国からくれるというならもらってもいい)。

再入国許可書で韓国に入国する際に、2時間ほど入管で調べられて海外旅行がトラウマになった。旅が趣味なので、学生のあいだに海外旅行をもっとしたかった。」

丁章さんは、新垣先生の「UNHCR報告書・無国籍条約と日本の国内法」などのテキストを基に、「朝鮮」籍者という「事実上の無国籍者」としての信条を話しました。

「無国籍者を無くすというUNHCRの方針への疑問、無国籍者に対して当事者の信条に反する国籍(国民性)を国家が強引に『かぶせてくる』こと(人権侵害)への恐怖心など、国籍問題は便第12回すてねとカフェ大阪① - Copy宜上の国籍取得で片付く問題ではない。国家の絶対性が揺らぐ昨今の世界情勢において、はたして国家や国境の壁を強化する方向へ立ち戻るべきなのか、これから考えてゆかねばならない課題であろう。」

新垣先生は、「この数年で無国籍問題は大きく動いている、法学者としての新しい研究の必要性を感じる。」と話されました。

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